花粉症・アレルギー性鼻炎は、クシャミ・鼻水・鼻づまりなどを呈する疾患ですが、重症になると頭重感・疲れやすさ・集中力の低下などが出現し、労働能力の低下・労業成績の低下などを引き起こすことも多くみられます。
花粉症・アレルギー性鼻炎は、クシャミ・鼻水・鼻づまりなどを呈する疾患ですが、重症になると頭重感・疲れやすさ・集中力の低下などが出現し、労働能力の低下・労業成績の低下などを引き起こすことも多くみられます。
花粉症の治療は、まずアレルゲンの回避を徹底することが重要です。花粉情報を参考にしながら
(下図参照)
以下の点に注意するようにしましょう。
「鼻アレルギー治療ガイドライン」では、花粉の飛散がはじまる前後の、まだ無症状態か極めて軽い時期に治療を始めれば、割と重症化することなく軽い症状ですむと期待されているため、早めの初期治療が推奨されています。
ただし、薬剤は症状を抑えているだけなので、花粉シーズン途中で「治った」と思って薬をやめてしまうと、再発するだけでなく、症状が重症化することがあります。シーズン終了までしっかりと内服、アレルゲンの回避を続ける必要があります。
Q)毎年スギ花粉に悩まされていますが、面倒で病院に行っていません。なにか個人でできる対策はありますか。
A)スギ花粉症は、国民の4人に1人がもっており、毎年多くの人が悩まされています。毎年1月下旬頃から飛散を開始し、3月にピークを迎えます。
個人でできる対策として、疲労やストレスは自律神経を過敏にしてアレルギーを起こしやすくするため、十分な睡眠をとり、運動を積極的に行いストレスをためない生活をしましょう。また刺激のある嗜好品や食物を避けて栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。外出時にはメガネ(花粉症用の密閉されたものもあります)、花粉症用のマスク、帽子(髪は帽子の中に隠す)をして、花粉の付きにくい表面のすべすべした織目の詰まった素材の服を着ましょう(毛織物などは花粉が付着しやすい)。帰宅時には手洗い、うがい、洗顔を行い皮フや粘膜についた花粉をよく洗い流し、家族全員で協力して花粉を家に持ち込まないようにしましょう。これでも改善の無い場合は、我慢せず病院に行ってくださいね。
Q)2歳の子どもですが、春先から鼻水がなかなか治りません。花粉症でしょうか?
A)毎年、2月中旬からスギ花粉が、3月中旬からはヒノキ花粉が飛散します。近年は大人ばかりでなく、花粉症を発症する子どもが目立ちます。乳幼児期から大量の花粉を浴びることにより,低年齢での発症が増えていると考えられています。幼い子どもの場合、大人とは違い症状の説明が上手くできず、繰り返す風邪と思っていたら、実は花粉症だったということがよくあります。幼いうちに花粉症を発症した子どもは、成長とともにぜんそくやアトピー性皮膚炎など他のアレルギー疾患を引き起こす傾向があり、アレルギーマーチと言われています。花粉症は自然には治りにくいため、周りの大人が適切な対応をしてあげる必要があります。低年齢では花粉の時期はなるべく外に出さない、家に花粉を持ち込まないなど。集団生活を始めるとアレルゲンの除去、回避が困難となるため薬物療法も考えます。5歳以上になればアレルギーマーチを阻止できる可能性のある舌下免疫療法も考慮できます。